How We Make It

四場。中間さんとは〈想像〉の微調整をするたとえばミラーボールの〈想像〉をきのうは持ってたのを今日はやめてみたけどあの〈想像〉は案外効果的だったのかもしれないから復活させてみようかとかインドレストランから外に出るときには満腹感とかお会計ちゃんとすませて店員がありがとうございましたーと言うとかそういうけじめみたいのを〈想像〉の中で付けたほうがめりはりが付くんじゃないかとかそういうかなり具体的な作業。感覚的にぞくっとする仕方で渋谷が立ち上がってくるときと説明的に理屈っぽい仕方でしかそれが立ち上がってこないときと立ち上がってさえこないときの違いは何に帰因するのかの究明。渡邊さんとはパフォーマンスする際に用いる感覚的基準の優先順位を渡邊さんの従来の順位でなく僕にとっての順位に書き換えてもらうセッション。とんでもなくセンスがいいのにそのセンスを使わないでつまんないところで落ち着こうとする傾向がちょっとあるのでそんな勿体ないことは絶対にしないでほしいのでそのことにちょっと苛立ってきつめに言う。今日も天才的な〈想像〉を渡邊さんは編み出していたけれどもこれはあまりにも素晴らしいのでここには書かない。渡邊さんにとって中間さんがどのような〈想像〉のボディであるかというのが場の前半と後半では変化することが必要。六場。渋谷さんの素人っぽさをキープするための作業でも本質的には素人感が大事というわけではない演劇が持つ演劇って観客とこのくらいインタラクティヴでいいんだよっていうポテンシャルにフィルターをかけず生々しくしてたい。ミノベくんのせりふを言っているときにミノベくんになっちゃうと説得力が落ちるミノベくんが言ってるそれを聞いてるユッキーを把持してないといけない。見たくない現実としての郵便受けの中の公共料金系の請求書の山の〈想像〉との付き合いかたを詰める。九場に着手。板橋さん一場のクリエーションを経てるだけあってさすがにいい感じの状態からスタートできる。渋谷駅からアメリカ大使館への地図で踊る。〈想像〉を言葉が始まる前から先取りして身体を踊らせるという方針を共有。(11月1日KAATアトリエ)

板橋優里