How We Make It
今はまだモノトーンであることも多い〈想像〉を多色的にこれからしていくこともしくは〈想像〉にあまりにも耽らないこと。かわりに今ここにある雑菌にちゃんと犯されること。ここ数日一場のリハーサルをたたみかけるようにやってる。ライブハウスの空間をこの空間に重ね合わせる仕方。ステージはどの方向にあるのか。板橋さんトトロが木を生やすみたく六本木を生やしてるらしいかつ外の寒さとライブハウスのあたたかさという〈想像〉を持ちはじめているらしいどちらもブラボーな〈想像〉である。一場はさりげないアクロバットとしてのパフォーマンスが徐々に成立しはじめているこれはアクロバットをやってるのだということを自覚しつづける必要がある。そうでないと単に流れのよい自然な演技というのにとどまっておとなしくなってつまんない。渋谷さんには日焼け止め塗ってくるの忘れて屋外で今私紫外線超浴びてるんだけどどうしよーみたいな感じでやってもらう。〈想像〉も大事だけれど信じるに足る〈想像〉であるためには信じるに足る演劇であるためにはそこがただの舞台の上っていう身も蓋もなさも大事。五場まずベースであるディズニーランドの〈想像〉とTSUTAYA延滞料金の〈想像〉を大切にすることを確認。リオンくんがどうでもいい台詞をしゃべっていることと歩くことのバランスが結構難しいと言った。石倉くんはディズニーストアの熱が強すぎてディズニーランドが負けてしまっていると言った。じゃあということで深刻ぶった空気をつくることなく長い沈黙をつくりたいのもあってディズニーランドでテロが起こるっていう〈想像〉とかしたらいいんじゃないか石倉くんに提案してみたりする。歩く速度の調整。このシーンは最後にたどりつく交差点の場所の〈想像〉のありようを舞台美術と重ね合わせることがはっきりとできるなとおもう。四場。俳優の意識って映画でいえばカメラみたいなもので観客の目線をディレクションできる渡邊さんにその力を使って舞台上にいる中間さんを眼差すように観客をディレクションしてほしい。舞台美術の斜線を時間軸というか何回セックスしたかを示す数直線みたいなものにできるだろうかと考える。観客を信じて〈想像〉を提示することそれが説明に陥らずに立ち上がってくることそのことで観客をどきどきさせること。そうしたことが生じる〈想像〉の仕方のいい塩梅のゾーンがありそれを〈想像〉がセクシーに立ち上がるゾーンすなわちセクシーゾーンと呼んでみることにしたのだったがそのセクシーゾーンを渡邊さんたぶんあともう少しで会得できそう。(10月19日KAATアトリエ)
