How We Make It

二場なによりリオン石倉朝倉の三人三様のヴァイブレーションというなにより大事なことがすごく出てたからアウトラインとして非常にいい感じ。これを殺さないまま緻密に詰めていきたい。二場は舞台上の空間がリオンくんの内面になっていくことが重要。そして役者が舞台空間を内面とすることに成功するとしたらつまり内面が外部化されるわけだから役者は内面の作業をなんにもしなくてもよくなるしむしろしたらいけない。リオンくんから〈想像〉を超える動きが出始めている。それを生み出してる感覚とか状態をこのまま大切にしてほしい。テキストが持つ流れとパフォーマンスの流れは必ずしも同期しないしむしろしないほうがそれによってスリルとサスペンスの時間が生じるのだから面白い。四場渡邊中間の二人のパフォーマンスが観客の脳内でフュージョンを起こす感じが徐々に出来てきたけどまだ〈想像〉を頭の中で概念的に持とうとしてしまうことがときどきある。するとボディがなくなる。渡邊さんの〈想像〉がボディを失うと舞台上の中間さんがよくない意味で抽象的な存在になってしまう。〈想像〉をボディから剥離させないこと。どういうことをするのが剥離させていることになるのかを具体的に理解してもらう。中間さんが渋谷の街を舞台空間の背後に立ち上げるだけでなく観客のいる方向にも渋谷が広がっていったらもっとすごいことになる。ひとつひとつの挙動に〈想像〉がしっかりともなっていて中間さんはとても説得力があった。今日は空間を〈想像〉に与えられるボディとするだけでなくときどきはそれを脱がして何も着てない素っ裸の状態に空間をすることについても話したりやったりした。空間同様役者も素っ裸な状態つまり何の役もやってないし何の機能も果たしてないという状態になるときがあったらおもしろい。そういうことをがんがんやってみたい。(10月25日KAATアトリエ)

左:石倉来輝 右:朝倉千恵子