第62回岸田賞の選考とかの日々

  • テレビのニュースで見る金沢はまだ雪が降りつづいている。自衛隊の飛行機の墜落。そして株価の暴落。候補作をふたつ読む。
    山田由梨氏『フィクション・シティー』。初読。バツ。今回の中で唯一上演を見ている候補作。ここにある言葉をそしてフィクションそれ自体を、信じることができない。登場人物たちが発する言葉を、彼らが発する言葉として納得することができない。キャラクターという道具を用いてフィクションつまり作り事を舞台上でやっているのを見ることの意義が、この戯曲ではわからない。
    山本卓卓氏『その夜と友達』。初読。マル。すんなり読めた。とても分かり易かった。あまりにもしっくり来すぎているとさえ言える。そのせいで評価のための言葉がまだあまり生まれてこない。これについては再読時に先送り。
    これで全部の候補作をとりあえず一度読んだ。